◆Interview No.1 地球樹オーナー 王 靖宜(ワンジンイイ)さん

台北からエシカルを伝えたい・・・

台北のエネルギッシュな喧騒から少し離れると緑に囲まれた心地よい時間がながれるエリアにたどり着きます。ここ「永康街(ヨンカンジェ)」は、東京でいうと表参道?のような、おしゃれなCafeや雑貨店た点在する人気のエリアです。

今回ご紹介する「地球樹」は、そんな人気スポット永康街でもひときわ目を引くアンティークな店構えが素敵なお店。世界各国のフェアトレード商品、エシカル商品が並ぶセレクトショップです。
“エシカル”という言葉は、耳なじみがない方もいらっしゃるかもしれません。
英語で倫理的という意味の言葉ですが、最近は欧米を中心に特に「エシカル消費」として、環境や人にやさしい消費活動を選択しようという行動に使われています。

オープンした13年前は今よりさらにフェアトレードやエシカルという言葉自体が知られておらず、「地球樹」はまさに台湾エシカルのパイオニア的存在です。オーナーの王さんに、台湾のエシカル事情、そしてエシカルやフェアトレード商品を扱う店舗の経営についてお話を伺いました。

ずっとフェアトレードやエシカルに関する仕事をしてきたのですか?

「元々は普通の会社員でした。その後Cafeの仕事などいろんな仕事をしてきましたが、この世界とはまったく関係のない世界にいましたね。
それが40歳を過ぎたころ、何か今までとは違うことをやってみたい!という気持ちが生まれてきて・・・それがこのお店をオープンさせるきっかけになりました。女性の40歳って何かあると思うんですよ。


(アンティークな素敵な店構えに思わず扉を開けてしまいたくなる・・・)

エシカルに興味を持ったきっかけは?

その頃、日本語の勉強をしていたんです。勉強する中でフェアトレードやロハスという言葉に出会いそこからどんどん引きこまれていきました。

当時の台湾ではエシカルやフェアトレードという言葉はあまり知られていませんでした。
今でこそハンドメイドの作品も人気ですが、当時の台湾ではハンドメイド=自分で作って楽しむもの。つまり教室で作り方を習って、自宅で作って楽しむというやり方が主流でした。
その中で最初に私のお店のコンセプトに共感してくれたのは同じ40代の女性たちでした。
人生経験を重ね、仕事でもある程度のポジションを築き、様々な考え方に触れて自分の意見をしっかり持った世代の女性。そんな彼女たちから常連客が生まれ、口コミで少しずつ広がっていきました。

実は最初からこの規模でスタートしたのではなく
この近所で、1.5坪(3人入ればいっぱい)ほどの小さな店舗からスタートしたんです。
もし失敗してもこの規模ならなんとかなる・・・失敗しても大丈夫な範囲でチャレンジしました。
1年半後には今のお店に移って、商品のラインナップも徐々に増やしていき、今の規模になりました。当時はWebサイトより新聞広告や雑誌掲載の効果が大きく、集客に役立ちましたね。


(オーストラリアから仕入れたネイティブなアロマポット。このおもしろい形はなんと植物そのものの形とか。自然の造形美に驚かされます)

現在の台湾エシカル事情はいかがですか?

13年前に比べればエシカルやフェアトレードに興味を持つ人は増えてきましたが、それでもまだ多いとはいえません。
そもそも「エシカル」という考え方は範囲が広いから伝え方が難しいですね。
「オーガニック」なら定義も範囲もはっきりしているから伝えやすいのだけれど・・・。
ライフスタイル全般に渡る一種の選択方法だから、ひとことで説明しにくいです。
まずは買い物からエシカルな選択を取り入れてもらう!これが一番わかりやすいかなと思っています。

あとは経営に関してですが、今はネットがあれば世界中の商品が簡単に手に入ってしまうので、店舗経営は簡単ではありません。
正直なんども辞めてしまおうかと思ったこともあります。でも今私がやめてしまったら台湾にエシカルを伝える人がいなくなってしまう、そしてお店に足を運んでくださるお客様のことを思うと、あとちょっとだけ頑張ってみようという気持ちが沸いてくるんです。その積み重ねがお店を続ける原動力になっているのかもしれません。」


(私が活動するエシカルユニット「TE ASOBI」メンバーに商品のものがたりを伝える王さん)

私自身も40歳を迎えた時に、漠然と「新しいことにチャレンジしたい」という衝動に駆られた1人。そしてこのKnot naviをスタートさせました。
王さんの「女の40歳って何かあると思うのよ」という言葉に、そうそうと頷かずにはいらせませんでした。
いわゆる成人になった20歳から20年。多くの人が紆余曲折それぞれの物語を紡いできて、40歳は小説でいうとちょうど半分まできた感じでしょうか?
この漠然と湧き上がる「コレやってみたい」は、次のスタートへのサインだと私は感じています。
そのサインをしっかりとキャッチし、新しいスタートを選んだ王さん。私が一番印象的に思ったのは、「失敗してもいいか」という範囲で始めたということ。
誰でも新しいことを始めるのには勇気が入ります。人生をかける必要はない、小さなチャレンジの重なりで次のマイストーリーを作っていく、
そんなスピードならいつからでも新しい一歩は踏み出せる気がします。

毎日はやらなければいけないことに溢れています。
その中で「やりたい」と思ってやっていることはどのくらいあるんだろうか?
本当はやらなくていいことがあるんではないか?
世界の素晴らしい手仕事に囲まれながら、ルーティーンになってしまっている自分の毎日を、少し模様替えしようと思った1日になりました。

Key word
◆エシカル(ethical)とは、「倫理的」「道徳上」という意味の形容詞である。つまり、「法律などの縛りがなくても、みんなが正しい、公平だ、と思っていること」を示す。近年は、英語圏を中心に倫理的活動を「エシカル(ethical)○○○○」と表現し、エシカル「倫理的=環境保全や社会貢献」という意味合いが強くなっている。

◆フェアトレード(英: Fair trade フェアトレード、公平貿易)とは、発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す運動である。(Wikipediaより抜粋)

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